FRらしさと安定感を両立する後期型86。アルミテープの謎にも迫る
掲載 更新 carview! 文:佐野 弘宗/写真:望月 浩彦 1
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発売から約4年。トヨタによればモデルライフの“KOUKI(=後期)”にさしかかった「トヨタ 86」だが、それ以前にも毎年のように何度となく手直しが加えられていた。だから、“ZENKI”でも、その最終モデルの乗り味は発売当初とは別物に変わっていたのも事実だ。
今回はモデルライフの転換点ということで、ボディやパワートレーン、内外装まで、あらためて徹底的に手を入れるメニューが実施されており、その変化の幅はこれまで以上に大きいが、乗った印象はまさに正常進化。開発陣が描いているイメージは、最初から大きく変わっていないのだろう。今回はとくにリア周辺のボディ構造強化に注力したというが、「鋭いステアリングレスポンスを、いかに安定性を損なわずに実現できるか」というのは、初期からの不変のテーマと思われる。
知っている人も多いように、86と「スバル BRZ」はサスペンションチューンで異なる。しかし、デビュー当時にトヨタと富士重工(以下、スバル)の担当エンジニアにうかがったところでは、当初は両車の走りを差別化する予定はなかった。ただ、複数のFR車をラインナップするトヨタとしては、86はスポーツカーとして、より分かりやすく濃厚に演出したかった。対して、BRZはスバルとしては唯一のFRであり、同時にスバルは安定感の高い4WDユーザーを多く抱える。
スバルが「一般ユーザーの手に委ねるにはこれが限界」とした味つけに、トヨタは「もっと鋭く」と満足しなかった。そこでスバルが仕立てた最終セッティング(≒BRZ)をベースに、さらにトヨタ側で独自の味つけをしたのが86である。結果として、初期の86はフロントが柔らかめでノーズが入りやすく、FFや4WDと同じ乱暴な運転ではテールブレークの姿勢になりやすかった。
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